Y House

緑あふれる住宅地に建つ、両親とこども3人のための住宅である。住宅と木々が高い密度で混在している周辺の状況に合わせて、樹木のような構造をもった柱に支えられた空間を提案している。
足元で束ねられた柱は小屋組のグリッドに向かって斜めに伸びる。1階は木の幹が立ち並ぶ林のような空間となり、庭の木々と連続した開放的な場所となる。リビング・ダイニングなどの、住宅内でもパブリックな用途に使われる。
対照的に、2階は斜めの柱が分散し、樹上の枝葉の中にいるような空間となる。家族の生活のための、プライベートな空間である。生活を支える「モノ」がこれらの柱の間に満たされ、生い茂る葉のように互いの生活領域が柔らかく分節される。
柱の広がりと密度の違いが上下階の空間を特徴付ける。均質空間に対して、土地や周辺と呼応する環境の延長としての建築を追及している。

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