既存の診療所（検診センター）から保育所へのコンバージョンである。
「幼児園」は、保育園（生活）と幼稚園（教育）の双方の性格をあわせ持つ。幼稚園・小学校受験のための教室の経営実績をもつクライアントが、生活と教育を掛け合わせた新しい保育のかたちを構想した。カリキュラム教育、生活教育、モンテッソーリ教育の３つを、年齢に応じて時間配分を変えながら保育、教育している。
木の棚を２方向に交差させて各階の空間を構成している。生活、教育のさまざまな目的を持った状況を作り出すため、場所の展開力が必要と考えた。近傍の棚から生活用品や教育の教材を取り出し、一日の中で移り変わる場面をサポートする。
棚のいろいろな高さに空いた窓から隣り合う場や外の風景が見えたり、棚が通り抜けの門になったりする。棚が場と場の関係を作りだし、空間全体を包み、木に囲まれたような場を作り出す。